2019年6月号 ゆっ歩通信 「神の視点を発動せよ!」

「神の視点を発動せよ!」


 時には視点を変えて、物事を考えることが大切です。そこで二つの視点を紹介しま
す。一人称視点と三人称視点です。
 数人でトランプの大富豪をする様子を想像してください。南山先生は自分の手札を見て、どのカードを出すか考えます。他のプレイヤーの手札は分かりません。これが一人称視点です。
 一方、大富豪に参加せず、後ろから皆の手札を眺めて「南山先生はジョーカーを持っている」とニヤニヤしている私が三人称視点です。上から全体を見下ろすイメージで神の視点、鳥の視点とも言うことがあります。( 小説技法的には三人称と神の視点は厳密に異なりますが、ここでは同じとします)

 日頃私達は一人称視点で過ごしていると言えます。すると私達は鏡がないと自分の顔を見ることができないように、自分自身について分かっていないことがあります。
 そんな時は視点を変えてみると、気付けなかったことに気付けたり、発見できたりするかもしれません。引退された将棋のプロ棋士加藤一二三さんは、対局中に相手が席を外した際に、相手側に移動して立った状態で盤面を見て、戦略を考えていたそうです。
この行動はファンの間で「ひふみんアイ」と呼ばれていたそうです。なお、対局中に立って盤面を見る行為はマナー違反という意見もあるそうなので、実際に真似をする場合は、注意が必要です。

 視点を変える、客観的に自分を見る行為はとても大切ですが、一人称視点が悪い、三人称視点が良いという訳ではなく、それぞれ良い・悪い点があります。
 一人称視点だけだと、自己中心的になりがちですが、一つのことに集中しやすい状態とも言えます。三人称視点は全体を冷静に見ることに適しているかもしれませんが、自分自身を見落としてしまう可能性もあります。バランス良く、色々な視点で物を見ることが大切です。
 悩んでいる時、考えても答えが浮かばない時、意識して別の視点や方向から考えてみるということを試してみると良いかもしれません。漫画風に言うなら「神の視点を発動」してみてはいかがでしょうか。                            (スタッフM)

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