情報として現在の日本の不登校やひきこもり状態の方に関するデータを紹介しておきます。
(各サイトデータから引用 リセマム・KHJ他)
小・中学生の不登校数
文部科学省が発表した2023年度(令和5年度)の調査によると、日本全国の小中学校における不登校の児童生徒数は34万6,482人で、前年度から約4万7,000人増加し、11年連続で過去最多を更新しました 。内訳は、小学生が13万370人、中学生が21万6,112人で、10年前と比較して小学生は約5倍、中学生は約2.2倍に増加しています 。
不登校の主な要因としては、「学校生活に対してやる気が出ない」(32.2%)、「不安・抑うつ」(23.1%)、「生活リズムの不調」(23.0%)などが挙げられています 。また、新型コロナウイルスの影響による生活リズムの乱れや、保護者の意識変化も増加の背景とされています 。
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ひきこもり状態の方
内閣府が2023年3月に公表した「こども・若者の意識と生活に関する調査」によると、日本全国でひきこもり状態にあると推計される人は約146万人にのぼります。これは15歳から64歳の生産年齢人口の約2%になります。
年代別の割合
- 15~39歳:2.05%
- 40~64歳:2.02%
これらの数字は、調査対象者が「趣味の用事のときだけ外出する」「近所のコンビニ等には出かける」「自室からは出るが、家からは出ない」「自室からほとんど出ない」といった状態が6か月以上続いており、病気などを理由としない場合を「広義のひきこもり」と定義しています 。
※当所でもひきこもり状態は「家族以外と義務的なものを除く会話がない生活状態」と考えています。したがって他人と様々にかかわる生活をしていくことが大事な要素の一つと考えています。
ひきこもりに至った主な理由
- 15~39歳:
- 「退職したこと」21.5%
- 「人間関係がうまくいかなかったこと」20.8%
- 「中学校時代の不登校」18.1%
- 「新型コロナウイルス感染症が流行したこと」18.1%
- 「学校になじめなかったこと」12.5%
ここから、京都教育サポートセンターの考えとしては、不登校からそのままひきこもり状態になる方だけでなく、社会人からひきこもりに至っていく方も結構おられることは、この分野を支援している側も多様な支援対象や支援の方法が必要になっていることと思われます。
- 40~69歳:
- 「退職したこと」44.5%
- 「新型コロナウイルス感染症が流行したこと」20.6%
- 「病気」16.8%
- 「人間関係がうまくいかなかったこと」11.6%
これらのデータから、ひきこもりの背景には退職や人間関係の問題、学校生活への適応困難、新型コロナウイルスの影響など、さまざまな要因があることがわかります。
また、特定非営利活動法人KHJ全国ひきこもり家族会連合会によると、40~64歳のひきこもり当事者のうち女性の割合が52.3%と半数を超えており、従来の「ひきこもり=若年男性」というイメージとは異なる実態が浮かび上がっています 。
これらの調査結果は、ひきこもりが特定の年齢層や性別に限られた問題ではなく、誰にでも起こりうる社会的課題であることを示しています。