2021年7月号 ゆっ歩通信 「“傷つく”こと」

「“傷つく”こと」

先月の続きの原稿が完成していないので今回は別の内容を書きます。

不登校・ひきこもりなどの状況になっている方は何らかのことで傷ついて心のエネルギーが消耗されて逃避か充電(意図しているかどうかは関係なく)している状況だと思われます。

人生、生活をしていて人と関わっている(ここでは広域要素で「見る」要素まであるかもしれません)と心が傷つくことがあります。そしてこれは多かれ少なかれ、大小関係なくゼロとして生活することはほぼ不可能と思います。すると傷ついた場合にどのようにしてメンタルヘルスの回復を図れるかが、安定した生活に向けて必要不可欠になります。

まず、「傷つく」ということには何種類かあると思います。ここ以外にもあるかもしれませんが思いつくだけ列挙します。大方はこの中になるとは思います。そして私の見立ても書いておきます。

1. 意図的に傷つけられる行為をされること

2. 感情の爆発で相手を攻撃(口撃が多い?)してしまうことからくるもの

3. 双方の価値観の相違、感覚の相違、勘違いなどからくる衝突

4. その場の空気・直接関わりのない要素からくる不安

5. 他者と自分を比べてしまっての劣等感(コンプレックス)からくる自己否定感

1は問題外です。世の中で無くなっていくべきものです。

2は多くは3からの流れ、また物事でも自分の思ったような結果が得られないことからくるストレスなどが発生源の場合もあるかもしれませんね。これは、セルフコントロールができるようになることで減っていくことが望ましいですね。

3は一番レベルで多いものです。けんかになるものなどは多くは価値観の相違からくるものです。自分の価値観を相手に当てはめて「正しい・間違っている・良い・悪い」みたいな言い方で自分の価値観に相手を引っ張ってこようとすると、いさかいが起こりやすくなります。

4と5は結果としては自分の考えで自分の心を傷つけてしまう方向のものです。ほぼ自己の世界の中だけなので、短期では 難しいかもしれませんが少しずつでも自分で変えることができるものだと思います。すると1は無くしていくべき、2・4・5はセルフコントロールでできる(実質は2と4・5はベクトルが逆です。2は自分のコントロール→他者を攻撃しなくなる→減っていく。4と5は自分だけの世界で変化できる可能性がある)割合が上がっていくと思います。

最後に3です。これだけはほぼ避けられないものです。しかし、いろいろな対処をすることで衝突は減らすことができると思います。ただし、関係性や場面などによってできる対処法が異なりますからここは自分で自分の対処法を身に着けていくことが必要になります。

例を上げておきます。他にもいろいろあると思いますし、できそうなものと出来なさそうなものが性格でも出てくるかもしれません。まさにここが曖昧な世界なので特性をお持ちのような方にはここが大変になりやすいのかなと思います。

 例

◯ 関わる必然性がなければ最低限の対応でとどめて距離を置く

◯ 常に自分の考え方と同じになることはなく、違うものとしてきちんと捉え、自分に役に立ちそうであれば受け入れ、役に立たなそうなものは心のなかで放置しておく。

◯ できる場合は納得がお互いできるまで話し合うことも一つの方法→ただし話し合ったからと言って必ず納得になるかはわからないことも踏まえる。

締めとして、傷つく・ストレス・負担(まとめて負荷と書いておきます)へのセルフメンテナンスをいかにできるか、がある意味社会の中で生きていくための大きな要素になるんだと思います。負荷がかかってそこが感情的に怒りに変わると最初の2のものになって違う人の負荷になって連鎖になっていくこともあります。そういう人はアンガーマネジメントなどもその一つになります。

セルフメンテナンス(ストレス発散とかもその中のもの)の方法→これも個々で違うので自分にとって何がその手段なのか、しかもその手段をできるだけ多く持てることも大事かもしれません。また私的な考えとしては、人と関わる系統のメンテナンスとものとの関わりからのメンテナンスがあると強いと思います。

 人と関わる→愚痴を聞いてもらう・人とお酒を飲んで楽しく過ごす・人と遊ぶなど、はタイミングによっては難しいときもあるでしょうから(スケジュール他)。したがってものの関わりからのセルフメンテナンス(ものではないですがペットも癒やしになるといいですね)、例は趣味系統・寝ることなど一人で完結できるものです。できるだけたくさんのメンテナンス方法を身に着けていきましょう。

その相談やお手伝いは当所もできるところはいたしますのでおっしゃってくださいね。

(南山 勝宣)

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